就農までの道 ④営農計画の作成

就農

営農計画これが完成しないと研修の2年間が水の泡です。認定新規就農者として認定されないということは融資を含めて支援がかなり制約されるいうことは自己資金で頑張りなさいとなりかねません。就農後の補助金等の資金面での支援でも重要です。

営農計画

これは就農へのパスポートとなります。研修を受けてこれなしに就農するのは茨の道になるといっても過言ではないのです。

作成は、研修1年目から始めて就農前に認定を受ける前に完成するとスムーズです。農林事務所の方が指導と添削はしてくれますので根拠となる資料を探して完成させます。これは、地域によって内容が異なるかもしれませんので農林事務所等に確認してください。

営農計画の内容

  • 資金調達計画
  • 借入金償還元利表(返済計画)
  • 労働時間(作物毎)
  • 減価償却
  • 構造分析(販売先と価格と収量を算出してその合計から生産費用・販売費用・管理費用などのコストを引いてどれだけの所得が得られるか)
  • 作物毎の算出根拠(使用する農薬・肥料・資材を記述)

以上の物を様々な県の指標をかき集めて参考に10年分作成しなければなりません。

計画を作成することにより自身の農地規模でどの作物をどれ位収穫するかでどれだけの所得を数字化する事で現実の農業は中々厳しいという事を実感する事ができます。予定していた作物が以外に儲からないとわかった時に作物を変更するかどのように販売するかなどを考えるのにも役立ちます。

計画は正直絵に描いた餅のようなものなので、あまり時間を掛けすぎる必要はないのすがこれは前述しましたが、農地の確保、融資と認定の材料となります。

これを研修しながら四苦八苦しながら完成させるのです。

何を栽培するか

計画を作成するにあたり商品となる作物を何にするかが悩み所ですが、栽培品目が決まれば計画は順調に進みますので、焦らず調べましょう。

なすを作りたい、トマトを作りたいなど栽培したい野菜に何らかの思い入れがある事が多いと思いますが、最終的に販売して生計が立てられるのかが大切です。思いやこだわりだけではお金になりづらいものです。結局は販売(出荷)先がどこかも左右されてきます。

新規就農であれば実績がないので例えばなすを大量に栽培してもそれを販売する先を見つけるのは難しいです。その為最初はJA出荷、市場出荷、直売所がメインになる計画になる方が大半かと思います。

そうなると就農する地域では何を栽培しているのかがポイントになります。JAでは野菜毎の部会がありますので部会にある野菜を栽培し、JAの規格通りの野菜を納品すればお金になります。部会にもよりますが、選果をしてくれるので規格品をひたすらに出荷すればS~Lというサイズ選別等をしてくれるのでこれは人手の足りない場合には大いに助かります。市場出荷も考えられますが、規格がより厳しいのと市場自体がほぼ取引の決まっている相対取引も増えていて新規就農者には思うような値がつかない場合もあります。また、直売所においても、同じような作物を作っているライバルが多い所なので価格設定は自由ですが、お客様は安くて良いものを求めているので価格重視となると価格が思ったより安くなる点とそこから袋代や手数料を引かれることを考慮すると低価格で大量に品を出さないと厳しい面もあり売れるどうかわからないものを袋詰めするのも心が萎えます。

従って、野菜部会のある作物をメインに栽培するのも方法です。ここで規格の基準の土台作りもできるので勉強を兼ねて就農初期は部会への出荷をおすすめします。規格外は直売や飲食店等に販売してなるべくお金にして廃棄を少なくする事も大事です。出荷先を限定することにより栽培に専念して技術を上げて安定収量と品質の基準を覚えることを目指しましょう。

そして、将来はメインとなる作物の栽培をし経験していく中でメイン以外の作物を作りたいと思えば勉強しながら自分の思うような作物を栽培して行くのが良いと思います。

 

今回のまとめ

農業に限らず、経営計画というのは必要です。絵に描いた餅と言いましたが、アウトプットして目で確認できるというは重要です。経営の土台となる栽培品目をしっかりと決めて安定収量を目指しましょう。就農後もこの時の計画をみると乖離があり改善していかないといけないと思うことばかりです。