就農までの道 ②1年目農業大学校での研修

就農

さて、前回から時が過ぎ・・ました。結局は農業にエイヤーと飛び込む勇気がなかった独身時代。

何となく年を重ねて都会での生活も疲れ今後の将来どうしようと迷走していて気が付けば三十代も後半です。

でも、結婚しました。妻の実家は兼業農家でした。自分は都会を離れて本州西端へと就活するも以外に選べる職はないのねと年齢の壁と地方の現実を知る。そう言いながら職に就くも地方に飛び回りで家に居ない事が不評となり辞める。妻の実家の農業を手伝う。そういえば農業やりたかったんだよね。健康に気遣う年にもなり有機農業もいいかもねと今更気づく「そうだ農業やろう!」二十代でまいた種が三十代で発芽した瞬間でした。

前置きが長くなりました。さてこの状況からどこで農業を勉強しようかと考えました。妻の実家は農業をしていますが本格的にやろうとしたら知識や技術に不安がありました。さあ、都会とは違うこの地でどうしようかと考えました。

どこで学ぶか

就農する地域は既に決定しているので調べてみた所、農林事務所が良さそうだと相談「農業したいです。人参を作りたいです」と切り出すと「人参で生計を立てるのは相当の作付をしないといけないので現実的ではない」と農業経営指標を渡されて門前払い敢え無く撃沈農業の現実を知りました。

当初は、やるのは勝手にできるのだから就農してもいいやと思いましたが調べるうちに長い目で見たときに関係機関との連携が必須と思いました。

  • 農地は行政の関わる部分が多いので繋がりがないとスムーズな就農が難しい(ネットワーク作り)
  • 補助金や融資を受ける際も、県や市町村の認定した研修カリキュラムで学ぶ事で信頼も増し審査に通りやすくなる

制約もありますが年齢などを考慮すると就農優先なので無駄な事に心配や時間を費やすよりサポートしてもらおうと考えたのです。

そこで、青年就農給付金準備型を知り活用することにしました。

青年就農給付金 準備型の活用

「青年就農給付金 準備型と経営型(現:農業次世代人材投資資金)」を活用すれ研修中の準備期間の2年間(準備型)と就農後5年間(経営型)合わせて7年間、年150万円されるという事を知りこれで経済的にも安心して学ぶことができます

研修機関も限定されいて補助金には給付要件があり、また途中で辞めると返還義務がありますので利用するのかはしっかりと確認しましょう。

 

都道府県が認める道府県の農業大学校等の研修機関等で研修を受ける就農希望者に、最長2年間、  年間最大150万円を交付します

交付要件
  1. 就農予定時の年齢が、原則50歳未満であり、次世代を担う農業者となることについての強い意欲を有していること
  2. 独立・自営就農または雇用就農を目指すこと
    親元就農を目指す者については、研修終了後5年以内に経営を継承するか又は農業法人の共同経営者になること
  3. 都道府県等が認めた研修機関等で概ね1年以上(1年につき概ね1,200時間以上)研修すること
  4. 常勤の雇用契約を締結していないこと
  5. 生活保護、求職者支援制度など、生活費を支給する国の他の事業と重複受給でないこと
  6. 原則として青年新規就農者ネットワーク(一農ネット)に加入すること
返還対象
  1. 適切な研修を行っていない場合
    交付主体が、研修計画に則して必要な技能を習得することができないと判断した場合
  2. 研修終了後
    1年以内に原則50歳未満で独立・自営就農又は雇用就農しなかった場合
    準備型の交付を受けた研修の終了後、更に研修を続ける場合(原則2年以内で準備型の対象となる研修に準ずるもの)は、その研修終了後
  3. 交付期間の1.5倍(最低2年間)の期間、独立・自営就農又は雇用就農を継続しない場合
  4. 親元就農者について、就農後5年以内に経営継承しなかった場合又は農業法人の共同経営者にならなかった場合
  5. 独立・自営就農者について、就農後5年以内に認定農業者又は認定新規就農者にならなかった場合

年齢と仕事が引っかかなければ、離職者であれば失業給付金を支給されると要注意なので研修受ける時期を気をつけなければ行けません。要件に該当しない場合でも給付金は貰えないですが研修を受ける事は出来ると思いますので相談してみてください。

結局は農業大学校での研修で良かった

県立農業大学校で農業担い手研修の募集している事を聞き説明会に参加。

面接では就農した場合の経営についてどのような作物をどの位作り収入を得て行く事を話すことが重要なようです。

有機農業への憧れもありましたが、まずは野菜を商品として作れる工程を目指して慣行栽培で一つ一つをこなしていこうとも決めました。

そんなこんなで晴れて合格し1年間の研修が始まりました。合格した方々は20人ほどで平均年齢は30代位でしょうか。

農大での研修は大まかに次の通りです。

  • 農業の知識の習得
  • 栽培を通しての技術習得
  • 販売実習
  • 市場や直売所など出荷先の規格に合わせての作業
  • ハウスの組立
  • 資格の取得(危険物乙4種、大型特殊、けん引、玉掛、小型移動式クレーン、建設機械、フォークリフトなど)

資格の取得費用は別途ですが取れるものは今後使わないかもしれないと思いながらも取得しました。

農大の研修では、何でも吸収してやろうという意気込みで躊躇することはしないようにしました。

研修を通して感じた点

  • 自主性が求められる何をしたいか何をするかは自発性が求められるので自分の目標しっかり持って周りに流されない
  • 農大生の10代の学生もいるので協調性が大事
  • ルールを守り義務(協同作業等)を果たせばやりたいことはやらないともったいない
  • 研修生はそれなりの社会経験を積んでいるのでその経験の善し悪しがある
  • 他の人の栽培も見ることができるので勉強になる
  • 仲間作りができる

今回のまとめ

何事も基礎が大事なので教科書的な内容が欲しかったしそれを実践できる場としては最高でした。特に大切なのは自分が何を学びに来ているのかという目的意識を明確にし、今までの経験と対比せず新たな気持ちで挑み自分と闘うという意識で無駄な時間にしないようにしましょう。